中国雑感322。中国産松茸。

 中国で松茸の産地と言えば、雲南省が頭に浮かぶ。他の省でも取れるが、雲南省には日本に松茸を輸出してお金を儲けた中国人が多くいて、彼らは松茸御殿と呼ばれる家に住んでいる。

 中国人は火鍋や麺料理等に入れて食べるようで、日本人のように香りを楽しむような食べ方をしていないような気がする。鰻もぶつ切りにしてスープや火鍋等に入れて食べているのを見かけるが、日本人の私から見ると理解できない食べ方だ。松茸もウナギ等も食文化の違いから調理方法も異なるということになるのだろう。

 8年位前に雲南省を旅行している時に、市場で松茸の値段を尋ねると、質にもよるが一般的には100gで200円位と言われた。雲南省のスーパー等に行くと袋入りの乾燥松茸を200円ぐらいから売っている。中国産は香りが強くない上に、乾燥させたら松茸の気配は感じられず正体不明の茸という感じがだ。麗江等の観光地で、この袋入り乾燥松茸を1万円前後で買わされボったくりの被害に遭った日本人観光客の話を暫し耳にした。日本に輸出する時、松茸に釘を入れて重量を誤魔化して日本の輸入業者が騙されるということもあるようだ。

 粉ミルクの中にメラニンを入れてたんぱく質の含有量を多く見せかけ多くの乳児が死亡したり、ピータンを工業用硫酸で処理したり廃油で野菜炒めを作る等して多くの死者を出す悲惨な事件が次々と発生する程ビジネス倫理が崩壊している中国なので、何でもあり。多くが中共によって隠蔽されているが漏れ出て来た橋崩落、高速鉄道事故、工場爆発等様々な事故を中国生活中に見聞きした私は松茸に釘を入れても驚かないが・・・

 学生達に日本での松茸の値段を話すと、彼らは驚く。理解できないようだ。森林工学の研究者である中国人から雲南省でも国土の重金属汚染が現在進行形だと秘かにおしえられてから、私は中国産は野菜だけでなく松茸も遠慮させてもらっている。食品総てが怖い。日本にいる中国人の教え子の中には、食の安全が保障されていないので中国には帰国しないという者もいる。

 雲南省省都昆明が面している大きな湖は重金属汚染で飲用どころか農業用にも使用できず、昆明の湖は雲南省の重金属汚染の象徴のような存在だとのこと。湖岸に民俗村という観光地があり、水は確かにきれいではないが見ただけでは重金属汚染がどれほど酷いのかよく判らない。

 日本の外食産業では中国産がたくさん使われ、我々は日本で知らないうちに口に入れている・・・

        

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                 麗江の市場