中国雑感30。中国武漢発新型肺炎

 中国から日本に帰って来た中国人留学生の話を中心に書いてみたい。

 武漢の死体償却場は24時間フル稼働中とのことで、中国政府の発表する感染者数や死亡者数は、本当に真実を物語っているか疑わしい。私が中国で生活している時、事故がある度に死傷者数がいつも似通っていたので信憑性を疑っていた。学生達から聞いた話では、大事故では60人、小事故は6人を超えたら共産党の幹部が責任を負わなければいけないという何か基準値があるようなことを話していた。

 10日で建てたという病院は、実際はプレハブ以下の建物で、病院というよりベッドが並んでいるだけの収容所というようなものだ。

 日本の医学部に留学した中国人の医者の話では、中国の医療技術は日本に比べると遅れているという話で、高度医療になると日本の医者に相談することがあるということだった。中国の大学の医学部は、大学の最難関の日本と違って文学部より入学が易しいという場合がある。医者もピンからキリという状態である。私立病院の内科主任が英語が理解できないというケースもある。外科医の従兄弟が言うことには、英語のわからない医者は英語の論文はどうするのだと・・・私の中国の大学の教え子の中には、親が医者だという中国人達がいたが、総べての親が大学の医学部を卒業しているわけでない。医療専門学校のようなところを出て田舎で医者をやっているというケースが結構ある。日本に入国して日本の病院で新型肺炎の治療の治療を受けたがる中国人がいるというのも頷ける。

 病院も中国政府の発信する病院は、写真で見ると近代的だが、近代的な病院は中国ではまだ少数派だ。中国共産党の検閲を通過した写真。近代的なビル群の写真と同じ。一般的に言って、中国の病院は清潔度で言うともうひとつという感じ・・・医療器具や医療器械も日本に比べると古い。医療費が高額な外資系の近代的な病院はあるにはあるが、実質健康保険がない一般中国人には縁がない場所と言える。

 中国政府の対応について。最初は隠蔽したが事の重大性にやっと気づき、都市を閉鎖して外出・移動禁止令を出しているようだ。買い物のために2日に1回の外出が許されるという感じのようだ。中国全土の都市はさながらゴーストタウンのようだとのこと。以前GDPの数値を上げるために誰も利用しないビルを建設してゴーストタウンが中国のあちこちにあるという話を聞いたし私も中国で実際に見たが、今回は中国全体がゴーストタウン・・・

 日本の政治家の中にマスクが防護服や医療品を送ろうと考えている者がいるようだが、果たして感染者の手元に無事に届くものやら・・・中国の賄賂社会・横流し社会・横領社会といった負の側面を理解しているのだろうか・・・私は大学で試験でのカンニング文化をいやという程、重点大学かどうか、エリート学生か否か、男子学生か女子学生か否かに関係なく、目撃してきたので懐疑的にならざるを得ない。女子学生がスカートの下の太ももにメモを書いていたのには、度肝を抜かれたが・・・何とも凄まじい社会。

 日本に入国できた日本に滞在・生活している中国人は、日本政府の甘い対応を(非難しているが、新型肺炎を引き起こし世界中に迷惑をかけ、その責任がある国はと言うと中国なのだが・・・)心配し、感染が怖くて日本でも極力外出を避けているようだ。

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          雲南省の名物 米線

中国雑感29。習近平国家主席の評判

  最近、中国政府は米国をとうとう怒らせてしまい、米中関係が緊張している。米国は、技術漏洩等中国を利する行動を徹底的に監視する方針だし、経済制裁も打ち出した。

 中国国内の中国人は、中国共産党の情報統制・隠蔽工作もあり事情を詳しくは知らない。しかし中国の外にいる中国人には情報が自由に入ってくるので、中国政府が苦しい立場に追い込まれてしまったことを知っている。

 海外にいる中国人は,中国共産党の批判者だけでなく中国共産党のシンパでさえ習主席を批判する中国人が増えている。

 周主席が就任してから共青団に対する批判が始まったので、共青団を敵に回して周主席は将来大丈夫なのかなと思った。

 腐敗撲滅、公務員の贅沢禁止とともに言論統制も著しく厳しくなった。

 賄賂は中国文化の一つと言ってもよいくらいで、公務員達が逮捕を怖がりやる気をなくし中国経済の循環経路が正常状態から不調和状態に変化したのではないかという気さえする。高級レストランも閑古鳥だったり閉鎖に追い込まれたりで、中国経済がまるで宴会場がお開きになり照明が少しずつ消されていく光景のようにも見えた。

 大学でも、民主主義や自由といった中国共産党にとって耳が痛い言葉を発することが厳しく禁じられた。言論統制に対する批判も反比例して増加した。政府批判で大学教員が何人も逮捕されたり解雇されたりしている。

 江沢民国家主席はあまり評判は良くないようだが、「彼でさえ米国との関係はうまくやった」という中国人が多い。米国は中国に対して制裁カードをいろいろ持っているが、中国は対米カードが殆ど無いということを理解している。

 中国の外にいる中国人のSNS上での周主席批判を見たが、中国語の誤読を周主席が何回もしてしまい小学生博士と酷評されている。清華大学卒ということだが、信じていないか中国共産党革命の元勲である父親の助けで入学したと思われているようだ。周主席体制をナチズムにも例えている。

 胡錦涛国家主席と違い、江沢民国家主席と同じく周主席は日本が嫌いなようだが、世界中で中国包囲網ができつつあり、頼りにできる唯一の先進国である日本にすり寄らざるを得ない苦境はさぞかし苦々しい気持ちなのではないだろうか。

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              雲南省楚雄市

中国雑感27。在外中国人による中国共産党に対する批判

 留学や永住権・国籍を取って海外に居住している中国人の中国共産党独裁・全体主義に対する考え。

 台湾系だと違うかもしれないが、中国本土出身の華僑は中国共産党シンパが多いと思う。世界中で華僑ネットワークが敷かれていて中国共産党とパイプを持っている。

 米国。生活しているうちに民主主義・自由主義の影響を受けるのか、世界で最も中国共産党批判者が多いとのこと。

 欧米。米国と同じく欧州の民主主義・自由主義に影響を受け洗脳から目覚めるのか、世界では数的に米国に次いで中国共産党独裁に対する批判者が多い。特にドイツは、反ナチの影響か中国共産党に対する批判が、中国の国旗をナチスの旗に例えたりして過激だ。欧米で生活しているうちに、欧米のマスコミや図書館の書籍や中国ではアクセスできないインターネットを経由して中国共産党による数々のウソのプロパガンダに気が付くようだ。私も見たことがあるが、欧米のインターネット上に中国共産党を批判するサイトやブログがある。中国共産党やそのシンパ等による破壊とサイト・ブログの再構築のいたちごっこが演じられている。

 オーストラリアやカナダ。中国共産党独裁体制から恩恵を受けている上層部の出身者が多いので、中国共産党シンパが多数派。 

 日本。中国共産党独裁体制から恩恵を受けている上層部の下の方の出身者が多く、中国共産党独裁体制を利用した上昇志向があって中国共産党シンパが多数派。中国共産党を批判すると反党売国奴)と呼ばれ、集中砲火を浴びるとのこと。

 

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      雲南省名物と言われる山・崖崩れ

 

中国雑感26。米国による中国共産党の敵性認定について

 最近、米国による中国への非難が強まっている。ようやく米国も中国共産党の対外拡張主義に気が付き、その危険性に警戒を始めた。米国は決断すると行動が速いが、日本はお花畑というか政府はその考え・方針がよくわからない。ウイグル人弾圧等で世界中から批判されている主席を国賓招待の予定とのことだが、日本は第2次大戦のイメージがダブってしまい、やはり全体主義国家と親和性があるのかと誤解される可能性がある。 

 米国は最近中国人の学生ビザを1年毎の更新に変更する等中国による米国の先端技術盗取や浸透工作を防止する措置をいろいろ講じている。米国においては、最近中国人に対する監視が厳しくなったとのこと。

 米国の自由主義・民主主義の影響からか在米の中国人には中国共産党に批判的な者が数では世界で最も多いそうだ。米中関係を悪化させた主席に対しては、中国共産党内部に止まらず責任を問う声が強い。中国人学生達の間でも評価が芳しくなかった江沢民元主席さえ米中関係をうまくやっていたので、米国議会の共和党民主党の政治家達だけでなく一般の米国人の中にも多くの反中を作り出した周主席よりはマシだと言う中国人もいる。

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     中国人の友人が美味いと言う田うなぎ

     へびのように見えるが、へびではない。

 

中国雑感25。中国企業の人間関係

   中国では従業員の人間関係が難しいと友人が言う。個人主義が強くて横の関係の調整・連携が難しいとのこと。中国の有名飲料企業の社長が解雇した社員にナイフで刺された。友人も中国企業で社長をした時、社員を解雇したら殺される可能性あるので解雇時には帰宅経路を毎日変えるように中国人オーナーに忠告されたそうだ。

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中国雑感25。中国の大学における外国人留学生に対する戦略的対外工作

 韓国人留学生の横に中国人が付き添うように座っているので事情を問い問い質した。大学が留学生に世話役の中国人学生を数人宛がうとのことだった。政府が国民より上位にある国なので、私への説明なければ私の許可得る等の発想も稀薄。世話役の中国人学生が世話をしながら中国共産党のシンパへ変えていくのだろうと思うと怖くなってくる。。

 肌の色の黒い子供を産むのは嫌等というアフリカ系の男性に対する偏見を女子学生達から何回も耳にしていたので、アフリカからの留学生に女子学生が付き添っているのを見た時は不思議な感じがした。アフリカからの留学生に力を入れていて奨学金もいろいろ出しているようで、女性トラップや金銭トラップでアフリカ各国に中国共産党シンパを戦略的に作っていると思わざるを得ない。中共の対外工作は長期的戦略的で、日本はとっくに中国共産党の毒が廻っていて中毒状態ではないかと心なってくる。手遅れかもしれない。

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        浙江省杭州郊外の農村

中国雑感24。中国に進出した外国企業と中国のビジネス事情

 中国の有名な重点大学を卒業した中国人の友人がアパレルの企業と工場を経営していたが、輸出して稼いだ外貨は中国の銀行で人民元に換金せねばならないとぼやいていた。外国企業も中国

から外国へ外貨を持ち出せず、利益を中国国内への再投資にまわす他ない。中国企業は世界中で自由な資本主義体制を利用しながら、中国国内で裸は外国企業は不公平なシステムを強いられる。中国から逃げようと思うと資産の持ち出しを諦めて出国せざるを得ないことになる。

 中国の経済は、ビジネス毎に共産党幹部とその一族が縄張りを持っていて、民間は入りこむ余地はない。入りこんでも共産党の書記の受け入れを強制され実質国有=共産党有になる。大した売り上げがない民間企業なら無視され問題がないようだが。

 中国企業の財務担当者で大事なのは支払いを抑えることで、債務の支払いを先延ばしが上手い者が評価される。中国では販売拡大より債権回収の方が困難で、左手に未回収代金を、右手に未払い債務を抱えた赤字経営の会社が多い。実際、中国の会社の寿命は短い。10年続けば老舗企業?私の経験を話すと、ノートパソコンを買った会社は1年後になくなっていた。国営企業は、幹部が中国共産党の幹部を兼ねているので赤字補填は容易だが・・・中国国営企業とビジネスで取引のあった友人は、中国の国営企業は問題だらけだと言っている。

 中国では外国企業の単独経営は許可されず中国企業との合弁を強いられる。その過程で外国企業は技術移転を強要されたり技術を盗取される。フランスのダノンは、中国の有名飲料大企業と合弁企業を設立後に合弁を解消され技術を総て窃取された、と言いながら裁判所に提訴していた。三権の上に党がある中国では、外国人が勝訴するのは困難。

 

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            麗江の旧市街