中国雑感29。習近平国家主席の評判

  最近、中国政府は米国をとうとう怒らせてしまい、米中関係が緊張している。米国は、技術漏洩等中国を利する行動を徹底的に監視する方針だし、経済制裁も打ち出した。

 中国国内の中国人は、中国共産党の情報統制・隠蔽工作もあり事情を詳しくは知らない。しかし中国の外にいる中国人には情報が自由に入ってくるので、中国政府が苦しい立場に追い込まれてしまったことを知っている。

 海外にいる中国人は,中国共産党の批判者だけでなく中国共産党のシンパでさえ習主席を批判する中国人が増えている。

 周主席が就任してから共青団に対する批判が始まったので、共青団を敵に回して周主席は将来大丈夫なのかなと思った。

 腐敗撲滅、公務員の贅沢禁止とともに言論統制も著しく厳しくなった。

 賄賂は中国文化の一つと言ってもよいくらいで、公務員達が逮捕を怖がりやる気をなくし中国経済の循環経路が正常状態から不調和状態に変化したのではないかという気さえする。高級レストランも閑古鳥だったり閉鎖に追い込まれたりで、中国経済がまるで宴会場がお開きになり照明が少しずつ消されていく光景のようにも見えた。

 大学でも、民主主義や自由といった中国共産党にとって耳が痛い言葉を発することが厳しく禁じられた。言論統制に対する批判も反比例して増加した。政府批判で大学教員が何人も逮捕されたり解雇されたりしている。

 江沢民国家主席はあまり評判は良くないようだが、「彼でさえ米国との関係はうまくやった」という中国人が多い。米国は中国に対して制裁カードをいろいろ持っているが、中国は対米カードが殆ど無いということを理解している。

 中国の外にいる中国人のSNS上での周主席批判を見たが、中国語の誤読を周主席が何回もしてしまい小学生博士と酷評されている。清華大学卒ということだが、信じていないか中国共産党革命の元勲である父親の助けで入学したと思われているようだ。周主席体制をナチズムにも例えている。

 胡錦涛国家主席と違い、江沢民国家主席と同じく周主席は日本が嫌いなようだが、世界中で中国包囲網ができつつあり、頼りにできる唯一の先進国である日本にすり寄らざるを得ない苦境はさぞかし苦々しい気持ちなのではないだろうか。

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              雲南省楚雄市