中國雑感15。中国の不動産バブル

 崩壊しそうで未だ崩壊していない(少なくとも表面化していない)中國の不動産バブル。

 私の周りでも、中国人達が親戚・友人等から借金をして転売や結婚する息子の為の部屋の用意等の目的で不動産を購入していた。数件所有している者もいた。中国各地に空き部屋が見られるが、大体が転売目的の部屋だ。誰も住んでないような街を鬼城と言うが、あちこちにある。私がいたマンションは、3世帯しか居住してなくて昼間でも廊下は暗くて幽霊が出そうだった。

 粗製乱造というかというか、質的にも問題が多い。日本人駐在員の間でよく聞かれるのが水回りのトラブル。私の場合もシャワー室の水漏れで階下が水浸し。私の部屋の所有者は遠くの省の役人で修理を頼んでも時間がかかり、しびれを切らした階下の中国人はマンションの水道の元栓を止め、私が開くと元栓を破壊した。 

 中国の都会ではマンションやアパートが普通で一戸建ては聞かない。借金で購入された各地にある空室。不動産バブルが崩壊すると暴動が起きそうである。中共政府も不動産バブルを崩壊させるわけにはいかない。謝金してマンションの空き部屋を複数保持している中国人は「不動産バブルの崩壊を許すわけにはいかない。中共政府が崩壊したら不動産バブルも崩壊する。全力で中共政府を支える」と言う。

 

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           雲南省六庫

 政府もGDPを上げる為にビルを建てては壊し、また建てる。雲南省昆明市の観光地花鳥風月は中國情緒たっぷりの新しい街に生まれ変わったのに取り壊し、味気ない近代的なビル街に変貌した。

 駅舎や大都市の中心街等外国人の目につきやすい場所には金をかけるようで、裏通りとのギャップに驚くことが多い。デザイン的にも中国のビルには個性が感じられないことが多く、味気ないと思うことが多い。