中国雑感9。中国での反日教育①

 私が中国の大学で教え始めた契機は反日教育の実態を知りたいということでした。私はスパイではありませんが、中国の教育の実態を調べようと思い中国へ渡ることにしました。 

 結論を言うと、私が日本で想像していたものより遥かに酷い反日教育でした。英国人教員が異常なナショナリズムを煽る世界最悪の教育、日本人にとって危険な愛国教育だと呆れていました。

 天安門事件の後、2000年代に入って中国の経済成長が始まった頃に中国入りました。もう貧富の格差が出始めた時期です。

 人民解放軍が持っていた演習場が都市開発・都市発展・拡大とともに都市の中心部の一等地になりボロ儲けです。中国共産党の幹部達も都市開発のデザインを描くのは自分達なわけですから、一等地になる場所を買い占めればこれまたぼろ儲けです。更に許認可権を持つ共産党の幹部達は利権を持っているのですから、ますますお金持ちになっていきます。

 現在の中国共産党の幹部達は、100万とも200万人とも言われている人民の敵として処刑されたブルジョア・富農達よりも遥かに金持ちで億万長者になっているのは皮肉です。

 こうして中国共産党は金満財閥のようになり、謂わば自分達こそ人民の敵になっている訳です。もうプロレタリアートブルジョアに対する階級闘争はできません。ここで中国共産党の独裁政治を正当化する手段として敵が必要になるわけです。

 この敵こそ日本軍国主義、日本と日本人です。21世紀の世に今でもテレビ等で日本と日本人に対する蔑称である小日本・日本鬼子が平然と叫ばれています。中国共産党による経済発展を誇る為には先進国でG5の一員である日本の文化や技術等を否定する反日・侮日が不可避になります。日本のODAでの金銭的・技術的援助は国民には教えるわけにはいきません。日本を褒めるわけにはいきません。あくまでも中国共産党の輝かしい努力・成果です。 ここから反日教育が必要になってきます。憎日洗脳が始まります。個人レベルだけではなく国家レベルでも反日です。

 中国の大学での教え子が日本の国立大学の大学院に留学しています。日本政府から生活費を支給され、学費無料、中国と日本の間の航空券まで貰っている彼は平気で「日本よりドイツの方が上だ」と言います。そこまで言うなら何故日本政府からお金を貰うことなどせずにドイツに留学しなかったのか・・・日本に国費留学している学生にアンケートを取ると、3割ぐらいしか日本には感謝していないそうです。私は中国人留学生で日本に感謝している者は3割より遥かに低い気がします。

 

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 中国に渡って驚いたのは、国を挙げて日本に対するヘイトスピーチが行われていることでした。中国人は小学校から朝礼で反日内容の国歌を歌い反日意識を植え付けられていきます。中国の国歌の内容は、敵(=日本)を倒して前に進め(=日本侵略か?)です。情操教育が日本に対する敵意・憎しみから始まります。中国では毎日のように極悪非道な日本兵が出て来て中国人を銃剣で突き刺したり、生き埋めにしたり、銃殺したりする、強姦したりする反日・憎日テレビ番組を放映しています。

 幼児期から白紙に赤いインキを浸み込ませるように反日・憎日感情が植え付けられていきます。中国では愛国無罪という言葉があります。反日・憎日は愛国ですから、反日は無罪、日本・日本人には何をしても良いということになります。恐ろしいです。

  

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