中国雑感7。中国は階級社会。

 若い時に北京大学の図書館で働いていた毛沢東が学生達に無視されているのを感じて傷ついたと言われていますが、中国では職業に貴賤があると感じます。

  中国の大学で私が掃除人のおばさんやおじさんに「おはよう」や「こんにちは」等と会釈して挨拶すると、彼らは嬉しそうにしていました。学生が挨拶するのを見たことがありません。

 

 教育のある人間は教育のない人間を明らかに見下しています。

中国での暴力沙汰の喧嘩等の話をすると、学生達は「そんな事をするのは、教育のない人間だから」と必ず学歴で片づけてしまいます。

 中国は学歴社会だという気がします。中国の大学にもランクがあります。重点大学と一般の大学があり、更に重点大学の中にも国家重点大学という一流大学があります。やはり一流大学の方が就職し易いです。中国人の教え子達に尋ねると、やはり就職後の給料は国家重点大学を卒業した学生の方が給料は高いです。

 

 共産党員はいろいろな利権を持っていることが多く社会的強者なので、上から目線だと感じます。公務員も公僕という意識はない(日本の官僚にもないようですが・・・役人になった日本の教え子の話)と思います。日本よりも遥かに威張っている感じがします。

 会社(共産党にとって無視できるような利益しか上げられない小規模な民営会社を除く)や学校・大学等には必ず共産党の書記がいて(強制的に迎い入れさせられる、そして共産党が人事権を握って総ての組織を支配する)、各部署のリーダーも共産党員でないとなれないと中国人の大学教員から聞いたことがあります。

 中国共産党の上級幹部120万から150万人位とその家族・親族そして彼らと利害関係で繋がっている人間達が1億3千万人位、つまり日本と同じ位の数の人間が、その他の12億5千万人位を支配している構造の国家が中国なんだという感じがします。謂わば、日本と同じ位の数の人間が、他の中国人を植民地支配しているという思いがします。

 中国の貧しい農村を歩いて見ると、大都市近郊の農村(比較的豊か)を除いてその思いが強くなります。

 

 

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          中国雲南省麗江

 

 

 金銭トラップ・ハニートラップ、中国入国制限・中国での取材調査制限等の脅し等々の中国共産党の対外宣伝工作を受けていると疑わざるを得ない日本のマスメディア・ジャーナリスト・学者達が言う巨大なマーケット・いずれ米国を凌ぐという中国台頭・称賛等は中国で生活をしていて実感できませんでした。

 中国での愛国心は、いろいろな項目を差し引いて行くと反日・憎日以外要素として残らない感じです。他人への思いやりが感じられない社会、基本的人権の尊重や言論の自由等人間にとって不可欠の自由が存在しない社会、民主主義や人間の平等の存在しない社会、食の安全のない社会、土壌の汚染・大気汚染・地下水の汚染・中国共産党幹部の金汚染まみれの社会、とても将来中国が米国のライバルになる姿が想像できません。私は親米ではありませんが、国としての質・レベルや国民の民度を考えるととても中国が一流先進国になれるとは思えません。100年遅れで時代錯誤の対外拡張主義を推進している現在の中国は、共産党独裁国家ですが、ファシスト全体主義国家と言わざるを得ないです。

 中国が先進国になれるか否かは、中国共産党が解体されて民主主義・自由主義を採用してからの問題です。